
「キャラクターをデザインしてみよう」
日本経済新聞社と奈良市は4月5日、なら100年会館でワークショップ「キャラクターをデザインしてみよう」を開催しました。
日本経済新聞社と奈良市は4月5日、なら100年会館でワークショップ「キャラクターをデザインしてみよう」を開催しました。奈良県内の私立・公立高校などから27人の高校生が参加し、それぞれ試行錯誤しながら最後には全員が個性豊かなキャラクターを完成させました。

今回のワークショップは、デザイナーで絵本作家の山下浩平さんが講師を務めました。山下さんは2025年国際博覧会(大阪・関西万博)の公式キャラクター「ミャクミャク」をデザインし、一般公募で選ばれました。これまで携わってきた作品を紹介しながら、なぜデザイナーの道を志すようになったか、仕事をするうえでどこが楽しいかなどについて丁寧に説明してくれました。
高校の美術部に所属する生徒も多かったため、山下さんが「下絵(スケッチ)を書いているときが一番楽しい」と話すと、深くうなずく姿も見られました。「デザインは単に好きなものを描く作業ではない。一定のルールのもとで、テーマや伝えたいメッセージを込めて作り上げる必要がある」。山下さんはこう強調しました。

ワークショップの後半は生徒たちによる作品づくりです。渡されたのは2色の色画用紙と白の上質紙で、ハサミや糊を使って切り抜いたり貼り付けたりしながら自由にキャラクターをつくってよいとのお題でした。
制限時間は40分ほど。テーマ設定をじっくり考える人、スケッチから始める人、切り抜きの作業から入る人など対応は様々で、生徒たちは「自由」にどこか戸惑いつつも真剣に作業に没頭しました。山下さんもテーブルを回りながらアドバイスを重ねました。

完成品は出来上がった順に会場内のホワイトボードにマグネットで貼り付けていきました。例えば筆記体のBという文字が歩き出すようなキャラクターは、「Book=本」からイメージして図書館向けにデザインしたものです。もやもやした気持ちをイメージしてつくったキャラクター「のちはれ」は、目をビックリマークにして最後は晴れやかな気分になるような作品に仕立てたということでした。

作品としての完成度の高さだけでなく、しっかりとした背景説明ができていることに山下さんも「考えることを楽しむ姿が見て取れた。みんなから教えてもらうことのほうが多かった」。そう関心しきりでした。
参加した生徒からは「自分の頭の中のアイデアやイメージをカタチにするのは難しかった」という苦闘を振り返る声がありました。一方で「たくさんの『気づき』がありとても勉強になった」との意見が多く聞かれました。
違う学校の生徒の作業工程や作品が刺激になったとの指摘もあり、学校間の交流にもつながった2時間半となったようです。

